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5分で学べる疾患のポイント
〜看護学生が覚えたい! 101の疾患

急性腎不全

  • 急性腎不全とは,急速な腎機能低下によって,老廃物の排泄,水・電解質調節,酸塩基平衡維持などが障害された状態.

【病態生理】

  • 腎機能が数時間から数か月の短期間に急速に低下し,水の排泄が低下するために乏尿・無尿になる.
  • 窒素代謝産物(タンパク質代謝産物)の代謝・排泄が低下するために,BUN(血中尿素窒素)*1の増加,高窒素血症(高クレアチニン血症)を呈する.

  • 電解質,とくにカリウムの排泄低下が起こり,高カリウム血症となる.尿細管の機能障害により,HCO3*2の喪失とHの排泄低下によって体液のpHが酸性に傾き,アシドーシス*3になる(NH4の排泄低下もアシドーシスを促進する).
  • 良好な経過をたどる例は,通常,乏・無尿期→利尿期→回復期と経過する.乏・無尿期に進行を止めなければ,尿毒症となる.
  • 急性腎不全は,その原因により,3群に分類される.

①腎前性:腎血流量の減少が原因(ショック,出血,脱水,心不全,火傷,敗血症などによる).
②腎性:腎実質障害が原因.
・急性尿細管壊死:腎虚血,腎毒性物質による
・急性糸球体疾患:急速進行性糸球体腎炎,全身性エリテマトーデス(SLE),多発性血管炎,播種性血管内凝固症候群(DIC)
・急性間質性腎炎,腎梗塞
③腎後性:両側性の尿路閉塞が原因(尿管・膀胱腫瘍,尿路結石,前立腺肥大).

 

*1 BUN(blood urea nitrogen):血清尿素窒素ともいう.通常腎臓で濾過され尿中へ排出されるが,急性・慢性の腎不全で腎臓機能が低下すると,濾過しきれない分が血液中に残り尿素窒素の値が高くなる.
*2 HCO3:食事などで体内産出された酸を体外に排出する役割を行う.酸(H)と結びついてH2CO3(炭酸)になり,Hのみを尿中に排泄し,HCO3自身は再吸収される.
*3 アシドーシス:酸性血症ともいう.正常人の動脈血はpH (水素イオン濃度) が 7.35~7.45に保たれているが,種々の原因でpHが7.35以下になっている状態をいう.