お役立ち満載

5分で学べる疾患のポイント
〜看護学生が覚えたい! 101の疾患

貧血と止血異常

■貧血,鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia)

  • 貧血とは,血中の血色素・ヘモグロビン濃度がある一定以上の低下した状態をいう.言い換えれば,酸素運搬能力の低下であり,それに基づく末梢組織の酸素欠乏症状である.
  • 鉄欠乏性貧血とは,なんらかの原因で赤血球の構成成分であるヘモグロビン(Hb)合成に必要な鉄が不足し,ヘモグロビン合成が低下した状態である.

【臨床症状・検査所見】

  • 顔面蒼白,易疲労感,全身倦怠感,頭痛,食欲不振,便秘,動悸,息切れ,下腿浮腫などの貧血一般の症状が出現する.貧血が長く続けば,爪の変形,いわゆるさじ状爪(spoon nail)や心雑音も出現する.
  • ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値の低下.赤血球数の減少は軽度.小球性低色素性貧血(MCV↓MCH↓)*1を呈する.血清鉄値の低下,不飽和鉄結合能の上昇,貯蔵鉄であるフェリチン濃度の低下が認められる.

*1 MCV(mean corpuscular volume):平均赤血球容積で,赤血球1個の平均の大きさを表す.MCH(mean corpuscular hemoglobin):赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を表す.

 

■巨芽球性貧血(megaloblastic anemia)

  • 巨芽球性貧血とは,骨髄中の赤血球系の幼若な細胞である赤芽球が,形態学的に特徴的な巨芽球*2を呈する貧血である.

*2 巨芽球:骨髄において,正常に成熟すれば赤血球に分化するはずの赤芽球のDNA合成が障害され,細胞分裂や核の成熟に異常がおこり,細胞核・細胞質ともに大きくなった異常な赤芽球.