お役立ち満載

サイボーグ父さんの『患者道』

第12回
診断書の記載漏れで障害者等級の誤認定

サイボーグ父さん(60代,会社員)です.
患者目線で,現在の高度な医療を体験して感じたことをお伝えしていきます.

行政不服審査請求で誤認定を取り消させる

 役所には「行政不服審査請求」という制度があるようなので,「事実誤認に基づく障害者の等級の誤認定である.等級の変更ではなく,3級と言う決定自体を取り消して1級に正しく認定し直すように」求める書類を出してみようか.こうした制度がきちんと機能するのか,認められるのかは半信半疑だったが,役所のホームページに説明があり,特に費用などは掛からないという.電話とメールでわからないところを問い合わせて,思い切ってやってみた.

 この制度は役所の別の部署が,申請者であるサイボーグ父さんと役所の障害者の担当部署の双方の言い分を聞いたうえで外部の有識者の意見も聞いて結論を出す.結論が出るまでに少なくとも半年かかるというものだった.しかも担当部署は「弁明書」と言う書面でこちらの訴えを却下するように主張してきた.「弁明書」の写しが行政不服審査を求めたサイボーグ父さんにも送られてくる仕組みになっているので,こちらはそれを受けて「事実誤認を認識しながら修正しないのは不当」とする「反論書」を送った.結局請求から半年近くたって,3級の認定を取り消すという通知が役所から届いた.行政に対する不服が,裁判などに訴えることなく,認められることがわかり,ほっとしたというか,正直少しびっくりした.

 しかしこんな面倒なことにならないにこしたことはない.障害者手帳の等級の見直しの制度が入ったのは2014年なので,見直しの時期に差し掛かる患者さんはこれから増えるだろう.対応は都道府県により必ずしも一律ではない部分もあるようだが,ICDの作動があった方は,提出する診断書にその事実が明記されているかを確認し,なければ医師に頼んで明記してもらうことも無用のトラブルや誤解を避ける一つの方法かもしれない.

 

 

次回「心房細動を併発 ICDが誤作動」に続く