患者さんと「真に出会う」

実習では記録類が多く，学生は「白い記録用紙を文字で埋めなくては」という思いにとらわれることが多いようです．しかし，そもそも実習は，患者さんと真に出会うために行われていることを忘れないようにしたいものです．

患者さんに寄り添い，ともに居ることで，患者さんが何に困っているのか，何に苦悩しているのか，自然とわかってくるような学びができます．

しかし，実習という緊張感や不安のなかで，ついうっかり，患者さんより記録用紙のほうが大切になってしまうことが時折起こっています．

私は，看護の教科書の空いたスペース，たとえばページ数が書かれた横あたりに，「実習で，患者さんと真に出会いましょう」「患者さんを心配する気持ちが大前提です」などと印刷するぐらいしないと，この「ついうっかり」はなくならないかもしれないなぁ，そもそも教科書にこうした看護学生の基本的な態度について，きちんと書かれていたかなぁ，と心配になるのです．