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国際化社会と看護

第5回
違う言語でコミュニケーションをとるとは

小笠原 広実 Hiromi Ogasawara

医療法人 偕行会法人本部海外戦略部
公益財団法人 日本アジア医療看護育成会(研究員)

看護学生のみなさんの中には,国際的な仕事をしてみたいけれど「英語が苦手で……」と思っている人もいるのではないでしょうか.もちろん,正しい英語を話せること,ネイティブに近い発音ができることは望ましいことです.でも,私は,一番大切なのは“お互いの意図が伝わること”だと考えています.

 

 

同じイメージが伝わっている?

インドネシアの場合,学校によっては小学生から英語教育がされていて,英語で会話のできる人もたくさんいます.日本人も,英語で仕事をしている人も多く,私からみると,とてもかっこよくて憧れます.でも,お互いが外国語で話す場合,本当にこちらの意図することが相手に伝わっているかどうか,相手は自分の受け止めたことと同じイメージで話しているだろうか,といつも自問自答しておくことが大切だと思います.

 

コミュニケーションは言葉と言葉のキャッチボールだと言われますが,【言葉】という形のあるものを介して,認識つまり考えや思い,感情などをやり取りしているのです.流暢に会話が進んでいるように見えても,実は理解の仕方や受け止め方に違いが生じていることも珍しくないのです.