目指せ!看護師国試合格
- 172本目!
Aさん(66歳,男性)は妻と2人で暮らしている.Aさんが,会社を1年前に定年退職した後,ほとん
ど外出せず,生活が不規則になり不眠傾向になった.特定健康診査の際,Aさんは「これまで,仕事だけを一生懸命やってきた.家事はやる気にならない」と言い,一緒に来た妻は「このまま体が弱ってしまうのではないか」と言っている.Aさんへの看護師の助言で最も適切なのはどれか.
1.「家事を分担してはいかがですか」
2.「疲れるまで運動してはいかがですか」
3.「睡眠導入薬について医師と相談してはいかがですか」
4.「参加できそうな趣味のグループを探してはいかがですか」
- 解答4
【解説】
人間は,自立していること,誰かの役に立っていると役割を実感していることで自己効力感を感じ,自尊心が保たれる.高齢者が生活機能を維持して生きがいを見いだすためにも,何らかの役割をもったり,社会集団に参加することが重要である.定年退職後は,仕事を通じての社会的役割やコミュニケーションを喪失するため,抑うつ状態になりやすい.Aさんは,ほとんど外出せず,情報源は新聞やテレビ,読書,家族との会話などに限られていると考えられる.社会的欲求である社会的接触や情報の不足は,大きな苦痛となる.多くの人々と接触して情報交換できる場所を得る必要がある.