お役立ち満載
サイボーグ父さんの『患者道』
- 第3回
- 2度目のカテーテル・アブレーション
サイボーグ父さん(60代,会社員)です.
患者目線で,現在の高度な医療を体験して感じたことをお伝えしていきます.
命の保険「ICD」の勧誘
手術開始からおよそ4時間が経過し,2回目のカテーテル・アブレーションは完了した.カテーテルを挿入した右太ももの付け根の傷口は,強く圧迫して包帯をぐるぐる巻きにした.なにせ動脈に穴をあけているだけに,強く抑えないと止血できないからだ.このまま7〜8時間は全身を横たえたままで寝返りを打つこともできない.最後に超音波で心臓や肺の動きを確認.
全身にかぶせられていたシートが外される.すると手術台の傍らにマスクをしたままの医師がすまなそうに説明を始めた.
「他の医師とも協議しましたが,心室頻拍の発作がまた起きると,血圧が急速に下がり,命の危険を伴います.なぜ心室頻拍が起きるのか,再発するのか原因は残念ながらわかりません.そのためICDを入れることをお勧めします」
(ついに来た,「命の保険」の正式な勧誘だ.)
(次回「患者の不安とセカンドオピニオン」に続く)
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