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国際化社会と看護

最終回
異国での子育て

小笠原 広実 Hiromi Ogasawara

医療法人 偕行会法人本部海外戦略部
公益財団法人 日本アジア医療看護育成会(研究員)

国により,医療の事情もさまざま

予防接種にしても,その種類は日本とインドネシアでは異なります.

 

日本では,4種混合(破傷風,ジフテリア,百日咳,ポリオ)が一般的ですが,インドネシアではヨーロッパの薬が入ってきていることが多く,5種混合(4種混合+Hib),6種混合(5種混合+B型肝炎)があります.これには1回で多くの接種ができるというメリットもあります.

 

インドネシア人の小児科医は,BCGワクチンを優先して接種することを勧めます.日本では,生後5か月から8か月が推奨されていますが,インドネシア保健省は,生後1か月で接種するようにプランを示しています.本当にそれでいいのかと不安になる母親も多いのですが,インドネシアでは,結核患者が減少しているとはいえ,まだ中国,インド,南アフリカに次いで世界4位(2015年)と多いのです.国によって疾病構造が異なるので,当然,優先される対策もかわってくるのです.