お役立ち満載

国際化社会と看護

第5回
違う言語でコミュニケーションをとるとは

小笠原 広実 Hiromi Ogasawara

医療法人 偕行会法人本部海外戦略部
公益財団法人 日本アジア医療看護育成会(研究員)

おかゆでイメージするものは…

第1回で私が,マンディという言葉を勝手に解釈して,お風呂に入ることだととらえて大失敗した話をお伝えしました.今回,また別のおもしろい体験をお伝えしようと思います.

 

ジャカルタに来て間もないころ,まだホテル暮らしをしていたときに風邪をひいてしまいました.熱はそんなに高くなかったのですが,体がだるくて,とてもホテルの下の階にあるレストランまで食べに行く力はありません.喉も痛くて声もかれていて,ルームサービスも頼みたくないような状況の中,車で迎えに来てもらってどうにかクリニックを受診しました.少し脱水状態になっていて,点滴を受けることになりました.

 

安心感もあって,2〜3時間うとうとしながら点滴をしていると,だいぶ気分がよくなってきました.ちょうどそのときに看護師が来て,日本語で「何も食べていないでしょう.おかゆを持ってきましょうか.お茶も持ってきましょうか」と言ってくれたのです.おかゆと聞いたら,急におなかがすいてきて,持ってきてもらうことにしました.

 

少し経って運ばれてきたのは,インドネシアのホテルの朝食ではおなじみの「bubur」でした.中華風のおかゆというのが近いかもしれません.おなかがすいていたのと,元気なときには時々ホテルの朝食で食べているものでしたので,温かくおいしくいただきました.